グリーン水素エネルギーは日本の技術

CPJnetworkのマサヒロです。

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今回は仮想通貨のマイニングで発生するエネルギー問題を解決することができる新しい資源利用「グリーン水素エネルギー」について解説していきます。

日本の技術グリーン水素/CPJnetwork

【日本のグリーン水素】

日本は世界最大のグリーン水素施設を福島県に建設しました。

福島県の「グリーン水素施設」は、クリーンエネルギーとしての水素の利用を促進するため、再生可能エネルギーで水素を製造することを目的としたプロジェクトです。

施設は福島県浪江町にあり、東芝エネルギーシステム&ソリューション株式会社が運営しています。

本プロジェクトは、2018年に設立された研究開発施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」の一環です。FH2Rプロジェクトでは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで水素を製造し、その水素を燃料電池自動車などの動力源にすることを目指しています。

グリーン水素施設は、再生可能エネルギーを利用して年間最大900トンの水素を製造することができる、この種の施設としては世界最大級の施設です。

この施設で製造された水素は、燃料電池車、バス、トラックの動力源として使用されるほか、地域の産業界への水素供給にも利用されています。

また、地震や台風などの災害時には、非常用電源として機能するよう設計されています。

この施設で製造された水素は、燃料電池や発電機に使用することができ、地域の家庭や企業に電気を供給することができます。

グリーン水素施設は、持続可能な水素経済発展のための重要な一歩であり、世界中の他の同様のプロジェクトのモデルとなることが期待されます。

【グリーン水素とは】

グリーン水素は、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを利用して、水分子を水素と酸素に分解する電気分解のプロセスで製造される水素ガスの一種です。

天然ガスなどの化石燃料から製造される灰色水素とは異なり、グリーン水素は製造時や使用時に二酸化炭素やその他の有害な汚染物質を発生させることはありません。グリーン水素は、特に石炭、石油、天然ガスといった従来の燃料の代替が難しい産業において、幅広い用途が期待されています。

例えば、水蒸気しか排出せず、温室効果ガスを発生させない燃料電池自動車の動力源として、グリーン水素を使用することができます。

また、高温が要求され、代替のクリーンエネルギー源が限られている製鉄などの工業プロセスで、クリーンな燃焼燃料として使用することも可能です。グリーン水素は、従来の水素よりも製造コストが高いものの、クリーンで再生可能なエネルギー源としての可能性から、多くの政府や企業がその開発と製造に投資しています。

再生可能エネルギーのコスト競争力が高まり、水素製造技術が向上するにつれ、グリーン水素は低炭素経済への移行においてますます重要な役割を果たすようになると考えられます。

日本は世界に先駆けて水素エネルギーを2017年に発表しています。

【水素エネルギーの種類】

水素エネルギーには、水素の製造方法、貯蔵方法、使用方法によって種類があります。主な種類は以下の通りです。

グレー水素。天然ガスから水蒸気メタン改質というプロセスで製造される、現在最も一般的な水素の種類です。

灰色水素は、製造時に二酸化炭素を排出するため、クリーンなエネルギー源とは言えません。

青水素。灰色水素と同じプロセスで製造されますが、炭素回収・貯蔵(CCS)技術が追加されています。

水素製造時に発生する二酸化炭素を回収して地下に貯蔵するため、灰色水素よりもクリーンな選択肢となります。

グリーン水素。太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーを利用し、水から電気分解というプロセスで製造します。

製造時に二酸化炭素を排出しないため、最もクリーンな選択肢と考えられています。

再生可能水素。太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電などの再生可能エネルギーから製造される水素のことです。

電気分解などの方法で製造され、クリーンで持続可能な選択肢と考えられています。

水素燃料電池。水素と酸素を結合させて水と電気を作る燃料電池で、水素を使って電気を作ることです。

副産物は水だけであるため、クリーンなエネルギーの選択肢と考えられています。

全体として、グリーン水素と再生可能水素は、水素エネルギーとして最もクリーンで持続可能な選択肢と考えられており、グレー水素とブルー水素は、短期的に二酸化炭素排出量の削減に役立つ過渡的な選択肢と言えます。

【川崎重工の水素エネルギー船】

川崎重工業は、水素エネルギーキャリアの開発に携わってきた日本のエンジニアリング・製造企業である。

水素エネルギーキャリアは、水素を貯蔵し、ある場所から別の場所へ輸送する手段であり、水素をエネルギー源として広く普及させるために重要である。

川崎重工は、主に2種類の水素エネルギーキャリアを開発しています。

Liquid Hydrogen Carrier(液体水素運搬船)。液化水素(LH2)をある場所から別の場所に輸送するための船です。

高度な断熱技術により、水素が液体になる温度であるマイナス253℃に保たれた状態で輸送します。

川崎重工の液体水素運搬船は、最大1,250立方メートル(約250トンの水素に相当)の液体水素を運搬することが可能です。

水素ガス運搬船。水素ガスを圧縮して輸送するための船。大気圧の約100倍に相当する10MPa(メガパスカル)の高圧タンクで水素ガスを貯蔵する。川崎重工の水素ガス運搬船は、最大で3,000立方メートルの圧縮水素ガスを運搬することができます。

両タイプの水素エネルギーキャリアは、IMO(国際海事機関)やISO(国際標準化機構)が定める安全基準を満たすように設計されており、水素を安全かつ効率的に世界中に輸送することが可能です。

川崎重工の水素エネルギーキャリアは、水素を製造する場所から、燃料電池車や発電所など水素を必要とする場所まで輸送することができるため、水素を利用した経済発展のための重要なステップとなります。

【川崎重工のグリーン水素資源輸入】

川崎重工は、再生可能エネルギー資源が豊富で、グリーン水素を生産している国からグリーン水素を輸入する可能性があります。

グリーン水素の生産が確認され、輸出の可能性がある国としては、オーストラリア、サウジアラビア、チリ、ノルウェーなどが挙げられます。

ただし、グリーン水素の世界市場はまだ初期段階にあり、新しい技術や製造方法の開発によって変化する可能性があることに留意する必要があります。

【日本の自動車産業とエネルギー開発】

日本の自動車産業では、いくつかの企業が水素エネルギーの開発に積極的に取り組んでいます。その中で注目すべきは以下の通りです。

トヨタ自動車株式会社です。トヨタは水素エネルギーのパイオニアであり、水素燃料電池車「MIRAI」の製造元です。

また、水素燃料供給インフラの開発にも取り組んでおり、他社と共同で日本国内に水素ステーションを建設しています。

本田技研工業:ホンダは、水素燃料電池車「クラリティ フューエル セル」を開発し、一部の市場でリース販売をしています。

また、水素燃料供給ステーションの開発にも取り組んでおり、GMと共同で次世代燃料電池システムを開発しています。

日産自動車株式会社:日産は、トラックやバスなどの商用車の動力源として水素燃料電池の利用を検討している。

また、固体酸化物形燃料電池をはじめとする先進エネルギー技術の開発にも取り組んでいます。

三菱自動車工業株式会社三菱は、水素燃料電池自動車「ふそうキャンターE-CELL」を開発し、現在日本でテスト走行中の中型トラックである。

また、電気自動車やプラグインハイブリッド車など、他の先進エネルギー技術の開発にも取り組んでいます。

マツダ株式会社マツダは水素自動車の研究開発を進めており、電気自動車のレンジエクステンダーとして水素を使用する可能性を探っています。

また、水素自動車の効率を向上させることができる高度燃焼技術の開発にも取り組んでいる。

日本の自動車産業は、研究開発への投資、他社とのパートナーシップの構築、水素自動車の普及に必要なインフラの整備に取り組んでおり、全体として水素エネルギーの開発において重要な役割を担っていると言えるでしょう。

【日本の国家戦略グリーン水素】

日本は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーから製造する「グリーン水素」の開発を積極的に進めています。

2050年までにカーボンニュートラルな社会を目指すなど、グリーン水素の利用に関しても意欲的な目標を掲げています。

ここでは、日本がグリーン水素の利用を促進するために取り組んでいる国家プロジェクトやイニシアティブを紹介します。

グリーン水素戦略」です。

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2017年、日本の経済産業省は、日本における水素社会構築のためのロードマップを示した「グリーン水素戦略」を発表しました。

この戦略には、再生可能エネルギーの普及や水素サプライチェーンの構築、水素燃料電池車など水素を利用した技術の開発などが盛り込まれています。

福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)。2020年に福島県に開設されたグリーン水素製造施設です。施設内には20MWの太陽光発電システムが設置されており、これを利用して1時間あたり最大1,200立方メートルの水素を製造しています。この水素は他の場所に運ばれ、燃料電池車などに使用されます。

水素エネルギーサプライチェーン(HESC)。オーストラリアと日本の間で水素サプライチェーンを構築することを目的としたプロジェクトです。オーストラリアで再生可能エネルギーによるグリーン水素を製造し、それを液化して日本へ輸送し、燃料電池車などに使用するプロジェクトです。

川崎グリーン水素プロジェクト。川崎市の風力・太陽光発電を利用したグリーン水素の製造プロジェクトです。水素製造施設、水素充填所、燃料電池車などの整備を行うプロジェクトです。

東京2020オリンピック。2020年の東京オリンピックでは、水素を利用した技術の紹介が行われました。この大会では、選手や関係者の移動にバスや自動車などの水素燃料電池車が使用されました。

また、世界初となる水素を利用したオリンピックの大釜も設置されました。

全体として、日本はグリーン水素の開発に取り組んでおり、その利用を促進するためのさまざまなプロジェクトやイニシアチブに取り組んでいます。これらの取り組みは、日本の二酸化炭素排出量を削減し、より持続可能なエネルギーシステムに移行するための広範な戦略の一部である。

【グリーン水素のつくり方】

グリーン水素は、電気を使って水分子を水素と酸素に分解する「電気分解」によって製造されます。このプロセスに使用される電気は、風力、太陽光、水力など再生可能な資源から発電されます。

ここでは、グリーン水素を製造するための基本的なステップを紹介します。

水を採取し、浄化する。

その水を電解槽で電気分解し、電気で水の分子を水素と酸素に分けます。

水素は圧縮され、タンクに貯蔵されます。

電気分解の過程で発生した酸素は、大気中に放出したり、他の産業プロセスのために回収したりすることができます。

ただし、電気分解の過程で使用される電力が再生可能な資源から発電されたものである場合のみ、グリーン水素の製造は真の意味で「グリーン」であることに留意する必要があります。もし電気が化石燃料から生成されたものであれば、そのプロセスは真に持続可能で環境に優しいものとは言えません。

【ビットコインマイニングのグリーン水素エネルギー利用】

ビットコインマイニングのエネルギー源として、グリーン水素が提案されています。

ビットコインマイニングは、ビットコインネットワーク上の取引の検証や処理に使用されるコンピューターシステムの電源として大量の電力を必要とする、エネルギー集約型のプロセスです。

ビットコインの採掘が環境に与える影響への懸念が高まる中、グリーン水素をビットコインの採掘作業の電源として使用することで、二酸化炭素排出量を削減できるのではないかという意見も出ています。

その顕著な例として、米国にある「Greenidge Generation Bitcoin Mining Facility」と呼ばれるプロジェクトがあります。
この施設はニューヨークにあり、ビットコインの採掘作業のために天然ガスで発電しています。

しかし、この施設では7.5MWの水素燃料電池が設置されており、地元の風力発電所の余剰再生可能エネルギーを使って製造したグリーン水素を燃料としています。

この燃料電池は、マイニング事業への追加電力供給に使用され、化石燃料への依存を減らし、カーボンフットプリントを低減します。

ビットコインマイニングにおけるグリーン水素の利用はまだ初期段階ですが、ビットコインや再生可能エネルギーのコミュニティの一部では関心の高い分野となっています。

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グリーン水素技術の開発が進めば、ビットコインマイニング以外にも、データセンターや工業生産など、エネルギーを大量に消費するプロセスの電源として利用できる可能性があります。

BitLending

まとめ

日本のグリーン水素エネルギー技術は世界の最先端です。

グリーン水素エネルギー資源は世界中のどこからでも調達できます。

化石燃料のように決まった場所から限られた資源を採取する時代は終幕に向かっています。

グリーン水素エネルギーは脱炭素の「カーボンニュートラル」を実現することを可能にするエネルギーです。

カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることです。

2020年、政府は2050年までに温室効果ガスの排出をゼロにする「カーボンニュートラル」を目指す宣言をしました。

世界ではEU(欧州ヨーロッパ連合)、スイス、アメリカ、オーストラリア、中国がそれぞれの地域で温室効果ガスの排出を削減することを目標にしています。

それでは今回は以上となります。

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